2月の26日
今日も内容の薄い一日だった。何もしないままに時間が過ぎてくような虚しい一日だった。
ひとまず、昨日決めた本を棚に戻すということはしたが、それ以外ほぼ何もしなかった。
一応ゲームや動画をちょこちょこ見たりしてるので瞬間瞬間では確かに楽しかったのだが、思い出してみると妙に味気ないつまらない時間だったと思えてくる。
苦しいつまらない時間は後々、楽しい時間だったと脳が修正するらしいが、楽しい楽な時間はつまらなく苦しい思い出として脳に変換されるのだろうか。
僕は小学校の時から好きな漢字は「楽」だった。
"たのしく" "ラク"
これ程素晴らしい意味を持つ漢字が他にあるだろうか。人間誰しも楽で楽しいものは好ましく感じるだろう。だからバイトの募集でどこも楽しいだとか楽だとかをアピールするのだ。
退廃的な思想に取り憑かれた僕は積極的に楽な方楽しい方へ邁進していった。
友達は無理してまで付き合わない。宿題はしない。授業で眠くなったら寝た。自然とぼっちのバカができた。
それでも僕は構わなかった。多少の寂しさは感じていたが、不満はなかったし楽だった。すんごく楽でちょっと寂しい学生生活だった。
僕はこの生き方をほんの少しだけ後悔している。この楽な生き方をしている裏で皆は頑張っていた。着々と大人になっていく中で僕だけが遅れているような感覚になることが多かった。大人に見える同級生たちを少し羨ましいと思っていた。
でも彼らみたいに大人にはなりたくないという気持ちもあった。楽な生き方の末にできた僕という存在はそこまで悪いもんじゃない。
これから生きていく先できっと昔もっと頑張ればよかったと思う時が来るかもしれない。でもそのときは、諦めてほしい。僕は一生懸命生きていた。過去を誇るぐらいの意気込みで、その上で手が届かないと堂々と宣言してほしい。
僕は変わらぬままに人生を送りたい。
明日は楽で楽しいバイトを探そう。