ナマケモノブログ。

ぼーっとしようよ。

トゥルーマン・ショー

 トゥルーマン・ショーを今ちょうど見終わった。人が誰もが一度は妄想する、自分が箱庭の中にいて、何か超越者に監視されているんじゃないか、自分は何か物語の一部なのではないかという空想。それを説明する素晴らしい映画だった。

 SFの世界ではこのテーマは度々描かれるらしい。確かに僕もこの世界観に似たものをどこかで見たような気もするが、これが一番綺麗にまとまっていたように思う。

 構成が素晴らしかった。俳優も素晴らしかった。全てが素晴らしかった。

 作り物の世界に気づき、その尻尾を掴もうと狂ったように動く彼が素晴らしかった。彼のちょっとオーバーな演技が少し狂気を感じさせ、それがこの狂っているのに普通な世界で少し浮いてる様がより狂気的で素晴らしかった。

 シーンごとに好き。細かい演技だったり、会話から彼らの関係性とか思考とかが伺えて本当に良かった。さすが傑作。語彙力の少ない自分が恨めしい。

 作り物の世界にだいぶ確信を得て、妻と脱走を図るものの、失敗して、その後の親友マーロンとの会話が好き。幼馴染の親友で、色んな思い出を共有しているのに、マーロンは監督のセリフを騙るだけ。「君には絶対嘘をつかない」このセリフをいうときのマーロンの演技が素晴らしい。少し、涙ぐんで嘘をつかないと嘘をつく。ずっと幼馴染でやってきた彼にそう言わなければならない関係性に悲しさを感じさせるこのシーンが一番好き。

 傑作はやっぱりすごいんだなぁって思えた。